7月30日、東北学院大学より大門耕平先生と、同大学4年生の佐藤花菜さんをお招きし、特別講演を行いました。
前半は大門先生より「彫刻の見方とその背景」についてお話しいただきました。古代からルネサンス期にかけての彫刻の変遷を、時代背景や文化的価値観とともに丁寧に解説してくださり、「なぜこの立ち姿なのか」「なぜこの表情なのか」といった視点から、彫刻が語るメッセージを読み解く面白さを学ぶことができました。
講演後は、3Dプリンターで再現された「アウグストゥス像」に着彩するワークショップも実施。最新の研究から、かつての彫刻には実際に色が塗られていたことが分かってきたことを踏まえ、参加者は「皇帝の色」「威厳の色」といった視点で思い思いの色を加え、個性豊かなアウグストゥス像を完成させました。
後半は、佐藤花菜さんより「モラル・パラドックス」と「サーバントリーダーとしての在り方」についての講演が行われました。現代社会の中で求められるリーダー像や、矛盾する選択の中でどう行動すべきかという問いに対して、高校生にとっても身近で深い学びとなる時間となりました。
芸術と哲学、歴史と現代社会をつなぐ貴重な機会となり、生徒たちにとっても多角的な探究の入り口となった一日でした。