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社会人セミナー 「微生物と街づくり」

2025.07.02
高校(フロンティア)
PROGRAM

 6月26日、フロンティアコースでは、BIOTA代表の伊藤光平さんをお招きし、「微生物と社会の共存」をテーマにご講演いただきました。

 伊藤さんは、日々の研究や実践を通して、微生物の力を活かした新たな暮らしのあり方を探究されている方です。講演ではまず、幼少期に微生物とどれだけ触れ合い、体内に取り入れるかが、私たちの身体の健康や免疫機能に大きな影響を与えることが紹介されました。見えない存在である微生物が、人間の身体と深く関わっているという話に、生徒たちも真剣に耳を傾けていました。

 さらに話は、環境と経済の問題へと広がりました。現代の資本主義社会では、自然の恵み=「環境資本」を「金融資本」に変換することで経済が回っています。しかしその環境資本は失われつつあり、それが環境破壊や社会不安の原因になっていると伊藤さんは警鐘を鳴らします。

 その中で、重要なキーワードとなるのが「分解者」としての微生物です。人間がつくり出したものを、どのように自然に還していくか。その循環を支えているのが微生物であり、彼らと共存していくことこそが大切だと伊藤さんは語りました。

 一方で、現在の建築物や都市環境は、気密性が高く、微生物にとって非常に生きづらい空間になっています。微生物が入り込む余地のない空間では、分解や循環の働きが起きず、社会の持続可能性が損なわれていく――そんな現実も、私たちは知る必要があります。

 生徒たちは、微生物という一見見えない存在が、人間社会の根本に関わっていることを知り、多くの気づきを得る時間となりました。